荒川産業グループ社員の皆さんとそのご家族さま、また当社にご縁のある皆さま、いつもありがとうございます。皆さまとのご縁に活かされて今日の当社があります。心より御礼申し上げます
新しい仲間を迎えて
先日開催した事業発展計画発表会では、昨年から荒川産業グループに加わったアラカイと南会津森林資源の皆さんが初めて参加してくれました。ともに南会津町にあるこの2社は会津地方の地域資源である豊富な山林資源を採取し、適宜加工して顧客にお届けしています(詳しくは荒川通信38号を見てください)。金属スクラップや古紙等の売上が70%を占める荒川産業とはずいぶん違うと思われる方もいるかもしれませんが、実は共通点があります。
私たちのミッション(使命)とは
私は「荒川産業さんは何をしている会社ですか?」と聞かれると「地域資源の発掘業と地域課題の解決業をやっています」と答えます。明治26年に創業者である初代荒川重四郎が喜多方の緑町で創業した時、主な商品は古着・古道具や生繭(せいけん=生糸をとるマユ)でした。
時代は移り変わり、商品やサービスは様変わりしましたが、地域で生まれる「資源」(=価値あるモノ)の価値を磨き上げて、それを必要とする顧客にお届けするという意味では変わっていません。その意味では荒川産業が商う再生資源も、アラカイが扱う山林資源も同じ地域資源だと私は考えています。
ちなみに私の恩師は「地域資源には①人的資源・②物的資源・③場所資源・④無形資源の4つがある」と言っていました。荒川産業グループの各部門は全て、何らかの形で地域資源に縁があります。荒川産業のブランドロゴである「アマルク」は「全ての素材を再生する企業」を意味する英語の頭文字から創った造語であり、この言葉には地域に存在するあらゆる資源の価値を高めたい、という願いが込められています。
一方、どんな時代にも私たちが生きる地域には特有の課題があります。私たちの仕事はまた、地域の課題への解決策を示すものでもあります。
荒川産業グループ130年の歴史はそのまま、地域資源発掘と地域課題解決の歴史です。そのなかには、資源発掘が課題を解決したこともあれば、課題解決のために試行錯誤する内に新しい地域資源が「発見」されたこともありました。両者は別個のものではなく、コインの両面のようなものです。
地域資源発掘と地域課題解決を通じて持続可能な地域(スマートカントリー)を創り上げる、その向こう側にある「幸せの実現」を目指すのが私たちのミッションです。
連峰経営で「幸せの実現」へ
私は社長に就任して以来、富士山のように高い山(事業)がひとつしかない会社よりも、それぞれに個性や特徴のある山(事業)が連なって安定している会社の方が、変化の激しい現代には合うと考え「連峰経営」を目指してきました。「連峰経営」の特徴は、個性のある事業がそれぞれ高みを目指しながらも「苦楽を共にする事」「互いに助け合う事」です。一方が不調でも他方がそれを補う、あるいは一方が絶好調なら他方がさらに後押しをする。協力し合って利益を出し、みんなで分配する。それが「幸せの実現」へむけた航海のプロセスです。
今年はスマートカントリー構想第一期の最終年となります。持続可能な地域づくりの土台を、全員で創っていきましょう。
荒川産業 株式会社
代表取締役社長 荒川健吉