2000年12月下旬、一人の男性が自転車に乗せて新聞紙をお持ち込みになった。
この時の古紙価格は新聞12円雑誌7円、関東地区メーカー着値(財団法人古紙再生促進センター資料)、したがって当社一般顧客持ち込み価格は新聞4~3円雑誌1円くらいであったでしょうか。
ちなみに余りの国内価格安値のためにこの年から古紙の中国輸出が急激に増加することになる。
その男性がお帰りになる際に、「今年のカレンダーはありますか」と問いかけされた。
当時のわが社のカレンダーは壁掛けと卓上型と日めくり二種類あり、壁掛けを選んだ男性は「毎年この日めくりカレンダーが欲しくて新聞紙を(年末に)持ってくるんです。」と言って笑顔でお帰りになった。
粗利益で新聞8円雑誌6円。出荷運賃3円社内梱包荷役費3円とすると、営業利益はほとんど残らないことになる。
事務計量コストは、事務員二名で1日100台(計量伝票100枚)の入荷として事務所計量器減価償却その他諸費込みで伝票1件当たり200円としてもその経費が残るのだろうか。
新聞一包み10キログラムとしてお客様に30円伝票とともに支払い、80円の粗利で400円の壁掛けカレンダーを差し上げた。
「こんな商売でいいのか」と社内に疑問を投げかけた時に、「良いと思います」と答えたのが当時の井上次男営業担当。
その時は論争に決着がつかないまま終わったが、翌年4月店頭での古紙コンテナパークの試行。
2006年(有)坂下リサイクルサービス設立、井上次男初代社長となる。
※当時の日付のまま掲載しております。荒川通信No.28から抜粋